ウスタード・ホテル（原題）
Ustad Hotel　

ヨーロッパと南インドのムスリム・コミュニティ
シェフになって、誰のために料理を作るのか

[ストーリー] ファイジーは、息子の誕生を待ち望んでいた父親アブドゥル・ラザクが、五度目の正直で授かった息子だ。ラザクはその息子を高級ホテルの経営者に据える展望を抱いていたが、スイス留学から戻ったファイジーは、ホテル経営ではなくシェフになるための勉強をしていた。

　しかも息子がすでにロンドンでスーシェフのポストを約束されていることを知った父親は、彼からパスポートとクレジットカードを取り上げてしまう。旅立つことができなくなったファイジーは、“ウスタード・ホテル”という大衆レストランを経営している祖父のもとに転がり込む。そして、祖父から試練を与えられ、人生の目的を再発見していく。

　脚本を手がけているのは、ストーリーテラーとして手腕を発揮するアンジャリ・メノン。ケララ州のムスリムのコミュニティを背景にしたドラマです。最後に実在の人物にインスパイアされたエピソードが盛り込まれていて、印象に残ります。