ブギ（原題）/ サマー・ホリデイ（英題）
Boogie / Summer Holiday　

社会主義から資本主義へと移行する狭間の空白
失われた過去を旅することで見えてくる現在

　ラドゥ・ムンテアン監督にとって３作目の長編となる『ブギ（原題）/ サマー・ホリデイ（英題）』（08）の主人公は、30代前半の若き起業家ボグダン、物語は海辺のどこか寂れたリゾート地から始まる。彼は美しい妻と４歳の息子とともにレイバー・デイの休暇でそこにやってきた。

　しかし、浜辺で息子と過ごす夫婦は必ずしも幸せそうには見えない。ボグダンは、冷たい海に入っていく若者の姿を眺めながら、妻が嫌がっているのを承知で自分も海に入り、泳ぎ出す。

　そんなボグダンは、妻子と遊歩道を歩いているときに、高校時代の親友たちと偶然に出会い、一緒に食事をすることにする。３人の男たちは昔話で盛り上がるが、ボグダンの妻は息子を連れて先にホテルに戻ってしまう。そこから次第に夫婦の対立が鮮明になり、一度ホテルに戻ったボクダンは、妻との口論で居たたまれない気持ちになり、再び夜の街に飛び出していく。

　レビューのテキストは準備中です。ジョン・カサヴェテス監督の『ハズバンズ』が脳裏をよぎったりもしました。