|
『静かなる叫び/Polytechnique』は、カナダ・ケベック州出身のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督(『渦』『灼熱の魂』『プリズナーズ』『複製された男』)の2009年作品だ。その物語は、1989年12月6日にケベック州モントリールのモントリオール理工科大学(Ecole Polytechnique)で起きた虐殺事件(the Montreal Massacre)を題材にしている。
この事件では、フェミニズムに敵意を持つ犯人マルク・レピーヌ(Marc Lepine)が、銃で武装して大学の教室に侵入し、そこにいた学生を男子と女子に分け、女子学生を銃撃。その後、カフェテリアや他の教室に移動し、女性ばかりを銃撃したあとに自殺した。
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督のアプローチについては、事件後の反応を頭に入れておいても無駄ではないだろう。それはケベック社会と無関係ではない。同じくケベック州出身のジャン=マルク・ヴァレ監督の『C.R.A.Z.Y.』(05)のレビューで触れたように、ケベック州では60年代に“静かな革命”が進行するまで、カトリック教会が絶対的な権力を持ち、社会を支配してきた。そうした女性が抑圧されてきた歴史は簡単に消し去れるものではない。
だから、犯人をミソジニー(女性嫌悪)文化の産物とみなし、フェミニズム的な視点からひとつの象徴ととらえる考え方が広がる。そして一方には、この手の事件によくあるように、犯人を狂人やモンスターととらえる意見も広がる。そうした解釈の違いは社会に不協和音を生み出す。 |
|
| ◆スタッフ◆ |
| |
| 監督/脚本 |
|
ドゥニ・ヴィルヌーヴ
Denis Villeneuve |
| 脚本 |
Jacques Davidts |
| 撮影監督 |
Pierre Gill |
| 編集 |
Richard Comeau |
| 音楽 |
Benoit Charest |
| |
| ◆キャスト◆ |
| |
| The Killer |
|
Maxim Gaudette |
| Jean-Francois |
Sebastien Huberdeau |
| Valerie |
Karine Vanasse |
| Stephanie |
Evelyne Brochu |
| Jean-Francois’ Mother |
Johanne-Marie Tremblay |
| Eric |
Pierre-Yves Cardinal |
| Mr. Martineau |
Pierre Leblanc |
 |
| (配給:) |
| |
|
|
|